06. 25歳のIUが好きだ

 

 

 

こんにちは、 꽃무늬 です。

 

 

 

今日は昔話を少しだけしようと思います。これはほんの数年前、でもありませんけどね。私が高校生の時です。私は生物の先生が好きでした。

 

 

 

あまり覚えていませんが、たぶん先生に出会ったのは高校1年生の時です。先生は私のクラスの担任でも、生物の担任でもありませんでした。私立だったので田舎の割には生徒も先生も多いマンモス校で半年ほど過ごしていても、殆ど見かけたことはなかったです。

 

 

 

そんな先生と出会ったのは1年の後期中間テスト一週間前でした。その頃私は当時仲の良かった友達と2人でよく学校に残って試験勉強をしていました。勉強、あまり得意ではなかったんです。嫌いではなかったんですけど、ひとつ分からないことがあるとそのまま先へは進めない性格で。公式ひとつとっても、ただ暗記すればいいものを何で?どうして?と考えてしまう面倒くさい奴でした。そんな性格なので、試験勉強は意外と友達とする方がはかどる方だったんですけど、ある物理の問題で私も友達も全く理解できない問題が何個か出てきてしまって。仕方なく教務室に行って先生に聞いてこようってことになったんです。

 

 

 

私たちが物理のおじいちゃん先生に聞きに行ったら、おじいちゃんが席をたまたま外していて。困ったなあって2人でノートと教科書持ったまま廊下につったっていたら、声をかけてくれたのが先生でした。

 

 

 

先生はまず、廊下にあるテーブルで私たちの話を聞いてくれました。そして、そこでパッと解説して理解できるほど私たちの頭が良くないこと。質問の問題数がかなりあることを知って、私たちの教室まで行ってあげるよと言ってくれました。当然私たちは大喜びで先生を引っ張って教室に逆戻りしたんですけど、まあ、試験勉強ですから。その時はもう必至ですよね。先生の解説は面白くはないけど分かりやすくて解説を聞いた時は理解できるんですけど、でも私の頭が悪すぎて何度解いても答えが合わないんですよ。残り時間は少ないし、外は暗いし、お腹は減るし、このままじゃ赤点だって落ち込む私に先生は根気強く教えてくれました。

 

 

 

結果としてその時の物理は80点くらいだったと思います。自分でも信じられなかったけど、でも試験中手応えはあったし何よりあれだけ先生が教えてくれたんだからこれくらい取れるよなって自分でも思ってて。すぐに先生に伝えに行ったんです。ちなみにその時まで先生の名前は知らなかったし、物理を教えてくれたのでてっきり物理の先生だと思っていました。なので教務室でも物理の先生いらっしゃいますかって聞いたと思います。そしたら先生は僕ですかって出てきてくれましたけどね。

 

 

 

80点でしたって報告したら、よかったですね。って言われました。めちゃくちゃ嬉しかったです。もうこの時には、好きな先生になっていたんだと思います。

 

 

 

2年生になったら生物の担任が先生でした。でも私のクラスは少し荒れていて、私もまあ携帯いじったり本読んだり友達と喋ったり。真面目な方ではなかったんですけど授業中はともかく、試験勉強は頑張ってましたね。もともと、物理は全くでしたが生物は好きでした。人体のところとかミトコンドリアとか。

 

 

 

私が先生を好きだなって思ったきっかけは、もちろんあの試験期間だったんですけど、他にも先生を好きになる要素はたくさんありました。先生は優しい人で、私たちがノート取らないから毎回穴埋めのプリントを配ってくれて、それを留めるファイルもくれました。クリスマスかバレンタインかホワイトデーか忘れましたけど、クラス全員にお菓子もくれて。生徒が適当に質問したウインナーコーヒーって何でウインナーって言うんですか?とかそんなこと、わざわざ次の時間までに調べてきてくれて。本当に優しくて。まあ、生物の先生なのに物理で困ってる私たちに声かけてくれたこともそもそも優しさですよね。

 

 

 

ですが、先生のあだ名は童貞でした()。いや、あのね、実際どうとかは知らないんですけど小柄で色が白くて細くてメガネで、たまに毒舌で。イメージがぽいというか。偏見ですけど。高校生の脳みそなんてそんなことにしか働かないじゃないですか。私も先生のこと好きでしたけど、わかるなって思ってましたごめんなさい。

 

 

 

あと2年生か3年生か思い出せないんですけど、たぶん3年の2月はもう学校に行ってないので2年生のときですね。私、先生にバレンタインのチョコレートあげてます。もちろん、市販のファミリーパックで買った普通の小さなチョコレートですけどね。あげる気は無かったんですけど、たまたま階段ですれ違って、たまたまチョコレートが余ってて、たまたまあげたらありがとうって言ってくれました。嘘です。先生にあげられたらなってこっそり思ってたしその日一日中チョコレート持ち歩いていました。若さですね。

 

 

 

でも私の思い出ってこんなもんです。正直、当時は先生のこと好きとか思ったことはなかったし、お気に入りの先生くらいで会えば挨拶する程度で。好きだったんだなって気づいたのも最近になってからです。何気ない友達との会話の途中に、そういえばそうだったかなって。

 

 

 

生徒と教師だったけど、先生っぽい威圧感とか若い人にありがちな変なノリとかも全くなくてまあ愛想も全然なかったけど真面目で優しい先生が好きでした。きっと、同世代なら本当に好きになっていたなと思います。今の、少し大人になった私なら先生と恋愛できる年齢になったと思うけどね。思い出はしまっておく方が綺麗に蘇るから、もう掘り起こしたりしません。

 

 

 

 

 

 

そこで、本日のテーマに繋がるわけです。IU、最近G-Dragonと出した〈팔레트〉という曲。私はこの曲がとても好きです。

 

 

 

この曲は25歳になったIUが自分自身を歌った歌だとされています。「25歳、最近は楽なことが好きでコリンの音楽が好き。ホットピンクよりも濃い紫が好き。ロングよりもショートが好きだけど若いロングヘアーの純粋だった自分は確かに可愛かったわね。」って。もうあの頃より可愛さはないかもしれないけどあの頃よりずっと自分のことが好きだし、わかる気がするのって、そう歌うIUが私には格好良く見えて仕方ありません。

 

 

 

自分の好きなことや物、こんな風に言えるかなって考えた時私はあまりないなって気づきました。嫌いなものはあっても、好きなものを不規則的にあげていくって難しいですよね。それに私はまだまだ自分のことを好きだとも言いきれないです。きっと嫌いなことの方が多い。ましてや、私を嫌いなことを知ってるわ、とは言えないです。自分のことを好きな人間しかいないわけないけれど、嫌われてることを認めるって簡単なことじゃないですよね。芸能人っていう特殊な仕事をしてることを除いても、大人だなと思うわけです。

 

 

 

そんなIUに対して30歳になったG-Dragonが君よりたった5歳年上なだけだけど丁度いい大人になってるよって歌っています。オッパはねって言ってることからもIUより少しだけ長く生きているG-Dragonから、焦らなくていい。その時その時少しずつ成長しているしゆっくり大人になればいいよってそんなメッセージのような気もして。

 

 

 

歌詞の中に「痛いから青春だ」という部分があります。いまの私にはそれが少しだけ分かるような、分からないような。でも、確かに先生のことを思い出した最近の私は少しだけ痛みを感じています。それが青春の痛みだよ、と言われてしまえばそうかもねって納得もしちゃうでしょう。

 

 

 

IUが2年前に出した〈스물 셋〉という歌があります。この歌も23歳のIUを表した歌ではありますが、やっぱり2年で随分心情の変化が起きているし、きっと私はまだ〈스물 셋〉の方が近い気持ちなのかもしれません。でも、もう少し大人になって自分を好きになれたとき、もう一度〈팔레트〉をじっくり聞いてみようと思います。

 

 

 

芽生えることさえなかった恋心にサヨナラするための記事でしたが、いつかどこかで先生に会えたらありがとうございましたって伝えたいです ^ - ^ 🌿